「なんとなく好き」のままデザインを始めない
「この参考サイトみたいな感じで」から始まったデザインが、途中で迷走する。制作の現場では珍しくない光景です。
原因ははっきりしていて、「好き」の中身が言語化されていないからです。依頼した側とデザインする側で、同じサイトの違う部分を見ています。
only 8では、デザインに着手する前に、参考サイトの何が良いのかを必ず言葉にします。時間にして30分ほどですが、この30分が後工程の手戻りを大きく減らします。
トンマナを4つの要素に分解する
参考サイトを眺めながら、次の4つの要素に分けてメモをつくります。
- 色:ベースは何色か。アクセントは何色を、どのくらいの面積で使っているか
- 余白:詰まっているか、空いているか。セクションの区切り方はどうか
- 書体:明朝かゴシックか。英字の扱い、文字サイズの強弱はどうか
- 動き:スクロールで何が起きるか。速いか、ゆっくりか、動かないのか
この4要素で見ると、「なんとなく好き」の正体がだいたい説明できます。
「高級感がある」と感じたサイトは、余白が広く、色数が少なく、動きがゆっくりなことが多い。逆に「親しみやすい」は、色数が多めで、角が丸く、書体が柔らかい。感覚を要素に割ると、再現可能な指示に変わります。
AIに手伝わせるなら
この分解は、AIに参考サイトのスクリーンショットを渡して壁打ちすることもできます。「このデザインの配色・余白・書体・動きの特徴を、デザインの指示書に使える言葉で説明して」と渡すと、たたき台としては十分な言語化が返ってきます。
ただし最後の「自分たちのブランドに合うのはどれか」という判断は、AIには渡せません。そこはつくる側の偏愛の領域です。
言語化したトンマナは、ずっと使える
一度言葉にしたトンマナは、そのプロジェクトだけでなく、バナーや資料、SNSの投稿画像まで、あらゆる制作物の判断基準になります。
「このデザイン、うちらしいか?」という問いに、感覚ではなく言葉で答えられるようになる。それがトンマナを言語化するいちばんの価値だと考えています。

